卒業生の声03
KIKO
2023年卒(通信課程)
インターナショナルヘアアーティスト・
教育ディレクター
京都で美容師一家の4代目として生まれたKIKO。海外で活躍したいという想いから単身渡英し、ヴィダルサスーン アカデミー・ロンドンで学んだ後、TONI&GUY LONDONでスタイリストとして経験を積む。帰国後は京美の通信課程で日本の美容師資格を取得し、基礎を学び直す。現在はフランス・パリを拠点に美容師として新たな挑戦に取り組む一方、自らが企画したヘアショー「IDENTITY」を国内外で開催し、世界を股にかけた活動を展開している。
ワクワクは境界を超えてゆく
私、高校を卒業してすぐにアメリカに留学したんです。家族全員が美容師で、それぞれがサロンを開いている家庭に育ったので、幼い頃から美容師になることが夢でした。おばあちゃんはいまも葵祭や時代祭で日本髪のセットを担う現役です。家族それぞれに美容師としてのカラーがあるからこそ、自分の色を出したいと思ったとき、自然と海外に目が向いたんですよね。
海を渡り、できない英語を必死に勉強しながら現地のサロンや美容学校を見て回ったけど、どれもピンと来ず、将来のビジョンを描けませんでした。日本に戻っても、グローバルに活躍したいという想いは消えず…。そんな折に縁があり、ロンドンの学校を見学しに行ってみることにしたのですが、現地に降り立った瞬間に心が躍りました。「私が探していたのはここだ!」って。言葉では説明できないけれど、空気感やフィーリングが合うし、なにより心のワクワクが抑えられなかった。周囲から「まずは日本で免許を取るべきだよ」と反対されましたが、このタイミングを逃したくなくて、海外に挑戦することを決意。そこからの挫折はもう数え切れません(笑)。でも、夢を追いかけられていることのワクワク感の方が勝り、いつしか逆境さえ楽しめるようになりました。
一方で、海外で経験を積むうちに、逆に日本の美容業界の素晴らしさを実感するようになりました。日本人の器用さや規律の正しさ、オーダーに正確に応える力は、世界に出るとそれだけで大きな武器になります。例えば、試験で「こういうプロセスを踏んで、こういうふうに切ってください」が日本だとすれば、写真を見せて「この形に切ってください」がヨーロッパ。どちらも良さがあるけれど、日本の試験に合格するには、きっちり学び、堅実に物事をこなせないといけない。日本髪をはじめ伝統が根付いているのも日本の強みですね。新しいスタイルを考えるにも、歴史を踏まえてなければ成り立ちません。その意味で、京美で学び直せたことは大きな財産でした。実は海外の人も日本の技術に魅了されて学びたいと思っている人は多いのです。
国内外で学んだ今、自分にできることは何かを考えたとき、日本の素晴らしい技術や文化を世界に伝えることじゃないかと思っています。私が海外で学んだように、今度は世界から日本に憧れて学びたいという人が増えたら嬉しい。現在はパリで語学もゼロから挑戦していますが、ゆくゆくは国内外で店を構え、日本とヨーロッパの美容のカルチャーをつなげること、ワクワク感を伝播させることが私の使命だと思っています。