卒業生の声04
澤村 寧音
2019年卒
nous inc. メイクアップアーティスト
京美の学生が学びの集大成として挑むコンテスト「京美祭」で、最優秀賞をはじめ数々の賞を総なめにした澤村。卒業後は上京し、TONI&GUYで経験を積んだのち、日本のヘアメイク業界を代表する小田切ヒロ氏に師事。業界トップクラスの現場でアシスタントとして経験を重ね、2025年にプロのメイクアップアーティストとして独立を果たした。
メイクで、人は誰かになれる
メイクに目覚めたきっかけは、中学生の頃にお母さんの化粧品を借りてメイクをしたこと。もともとダンスをやっていたので、舞台の本番前にメイクをしてもらったときに「顔がこんなにも変わるんだ!」と感動したんです。自分のままでいながら、憧れの誰かになれたような気がして─その瞬間、メイクの持つ力に虜になりました。 海外のファッション雑誌が好きだったこともあって、ナチュラルというよりは海外風のゴージャスなメイクに惹かれていきました。メイクは人を変える力があるし、自信を与えられる。そのことをもっと多くの人に伝えていきたいと思い、学費の面でも現実的で、2年間しっかり学べる京美を選びました。
卒業後すぐにでもメイクの道に飛び込みたかったのですが、当時はつてがなく…。周囲の勧めもあり、まずは美容師としてヘアの基礎も身につけることにしました。それでもメイクへの想いは消えず、YouTubeやSNSでの発信にも興味があったことから「師事するなら小田切さんしかいない」と思い立ちました。ちょうどそのタイミングでアシスタントの募集があり、ダメ元で応募してみたら、運よく採用していただけたんです。
アシスタントの仕事は、とにかく現場で師匠が動きやすいように尽くし、指示される前に動くこと。師匠の後ろをついて学んだことは数えきれませんが、何より感じたのは「プロ意識の高さ」。どの現場でも妥協が一切なく、事前準備も完璧。想定しうるあらゆる状況に備えて臨む姿勢に、毎回身の引き締まる想いでした。
いつも全力だからこそ、私のメイクにもありがたいダメ出しをたくさんいただきました。「このリップラインが歪んでいるのは、腰を落とさずにメイクしているからよ!」、「粉を乗せすぎ。パッと見はわからないけど、近くで見ればわかる人にはわかるの!」─
一つひとつの指摘が鋭く、プロとしての覚悟を肌で学びました。遊びではなく、「仕事としてのメイク」を追求するからこそ、それを真摯に受け止め、作品づくりを繰り返してきました。そのおかげで、独り立ちを認めていただけるまでに成長できたのだと思います。
これからどんな方向に進んでいくかはまだ模索中ですが、技術だけでなく「働く姿勢」も大切にしていきたいですね。人と壁を作らずに話せる点を評価してもらえることも多いので、一つひとつの現場で人の繋がりを大事にしていきたい。そしてなによりも、自分の原点であるメイクで、人を幸せにし続けていきたいです。